05 寝顔












「……無防備な顔」




 それでもアサシンのトップかよ、と思う。

 すーすーと穏やかな寝息を立てながらドロロは眠っている。




「………………」




 髪を掬い上げ、軽く弄ってみる。

 その青い糸は細いが、指触りがいい。クルルはこの髪が好きだった。

ドロロの顔がふにゃりと笑う。




「……何の夢、見てんだか…」




 自分がその夢にいたらいいと思ったのを、クルルは忘れようと思った。







「……隊長には、渡さない」



 この人の花のような笑顔も、女のもののように細い指も、艶やかに長い髪の毛も、その穏やかな声ですら。











「…全部、俺様のものだぜェ」












 ――渡さない、誰にも。





「だから…――」




 傍に居ろよ、と囁き、その唇にキスを落とし、クルルもまたそのシーツの海に身体を沈めたのだった。

 しばらくすると、クルルの寝息が聞こえてくる。












「どうしよう…」









 ドロロは真っ赤になった頬に手を添え、目を見開く。





「こんな…反則だよ、クルルくん」





 顔がこんなに熱を持ってしまったら、もう眠れない。





「うぅ……ハマってるなぁ、僕も…」





 それも、深みに。





「………離したり、しないでね…」





 そらしていた視線をクルルに戻し、先程よりもずっと寄り添う。

 自分はどうやら、思っていたよりも独占欲が強いらしい。

 ドロロは苦笑を零し、また目を閉じた。

 頬は熱かった。でも、クルルの体温が今は心地よかった。













何かと甘々な二人。
事後の話でした。(笑)

051014