02 コーヒー













 目が覚めて、自分の体の軋みを感じた。

 隣りに彼はいない。




 ――シャワーかな?




 飲み物が欲しいのだけれど、取りに行くほどの気力もない。

 ふと、シーツに出来た赤い染みが目に入る。

 それは昨夜の情事の証。

 顔が真っ赤になる、と言った現象がどのようなものか改めて感じられた。



 ――恥ずかしい…!



 でも、情事のことを思い出す度に思う。





「格好いいよね、クルル君……」

「そりゃどーも」

「ひゃあ!」





 突然現れたクルルに、ドロロは驚きのあまり小さく声を上げた。





「ききき、きき、聞いて…!?」

「なんか不都合でもあるんスかァ?」

「い、いやそんなことはないんだけどッッ」

「はい、ドーゾ」

「………ふぇ?」




 目の前に突然、マグカップを差し出される。






「喉。渇いてんだろ?コーヒーで良ければ」

「あ、有り難う…」





 軽くコーヒーを口に含む。

 それは、ほんの少し、いつもより苦い気がした。














「先輩」

「何…んぅ…」





 突然口付けられる。

 深く深く、貪るように。

 微かなコーヒーの匂い。でも、それは甘くて。





「先輩、すげぇエロい顔してますよ」

「え、嘘っ!?」

「ホント」




 またまどろむようなキスをした。




「もう一回、イっとくかァ?」

「いや、ご遠慮しますっ!!も、クルルくんっっ朝だよ、今はもう朝!!」

「でもまだ早いっスよ」




 時計を一瞥すると、それの針は未だ午前5時をまわったばかりだと告げる。




「なぁ、いいだろ?」













 嫌と言える筈が、なかったのに。









ゲロ甘…。
でも、この二人は書いてて楽しいです。
…なんか、情事後率高い…?まさかね!

051017