clapログ



 突然、不安に襲われた。

 そんな時、君がすぐ傍にいてくれただけなのに

 どうして、こんなにも涙が出るんだろう。


 ――…嬉しいんだろう?




「………ったく、先輩は泣き虫だなァ?」

「ご…、ごめ…」


 時折、恐ろしく不安になる。

 人の目が、人の心が、自分の醜さが。


「ま、俺様は別に構わないけどねェ…?」


 そう言って、抱きしめてくれるその暖かさが切なかった。


「有難う、ね…」





 ――ただ、信じてるよ。





 このぬくもりが、自分だけのものであると。





 さよならなんて永遠にないということを。





 信じてるよ。





「嫌いに…なら、ないで…ねっ?」







「くくっ……そりゃ、愚問だなァ…?」











 その暖かさを、失いたくなくて。

 ただ、悲しくて。













051020




「月見酒なんて、どうでござるか?」


 酒を持って、ドロロ先輩が俺様のラボに現れた。


「へぇ…?いいぜェ、付き合ってやるよ」

「じゃあ、参ろうか」






「今夜は満月…綺麗な月だね、クルルくん」

「嗚呼、なかなかいいもんだなァ…くくっ」


 ほう、と二人は月に目を奪われていた。

 ふとクルルが口を開く。


「先輩は月夜がよく似合うっスねェ」

「そうかなぁ?僕よりもクルルくんの方が似合うと思うんだけど…」

「俺様は月夜って言うよりも闇…だからなァ。くくくっ」

「そんなことないと思うよ。少なくとも僕にとってのpクルルくんは、ね?」

「……サムイ台詞」

「酔ってるからね」


 目が合って、笑いあった。








 穏やかな夜だった。




 ただじっと、抱き合って眠った。




 幸せだった。









 とても。
















051020